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胆嚢疾患について

2012.11.06

うちのワンちゃん最近なんとなく元気がないなぁ、昨日も少し吐いたし、今日は朝から食べてないし…。こんな症状は胃腸疾患など様々な病気でよくみられる症状です。でももしかするとその原因は胆嚢にあるのかもしれません。今日は胆嚢疾患についてお話ししましょう。

胆嚢の役割
胆嚢は肝臓に付属する臓器で、肝臓で作られた胆汁を濃縮して貯めておく袋です。胆汁には胆汁酸、胆汁色素、コレステロールなどが含まれ、食事の刺激で分泌される因子により胆嚢が収縮することで胆汁は総胆管を通って十二指腸内に分泌されます。胆汁には脂肪を乳化して腸からの吸収を消化吸収しやすくする作用があります。

胆嚢疾患の原因
胆嚢疾患には胆嚢炎、胆泥症、胆嚢粘液嚢腫、胆石症、胆嚢ポリープ、胆嚢腫瘍などがあり、また併発症として総胆管閉塞や胆嚢破裂が見られることもあります。
胆嚢炎は肝炎や腸炎または急性膵炎からの細菌感染が原因で起こることが多く、胆嚢炎により胆汁が変質して結晶化したり泥状になったりすると胆嚢内に蓄積して胆泥症や胆石症の原因にもなります。

↑摘出した胆石

胆嚢疾患の症状
胆嚢に異常が生じても初期にはほとんど無症状で、進行した場合に元気・食欲の低下や間欠的な嘔吐が見られることがあります。胆嚢炎の悪化や総胆管の閉塞が起こった場合は黄疸が現れます。胆石症や胆嚢粘液嚢腫などではもろくなった胆嚢壁に壊死が生じ、その結果胆嚢破裂が生じてしまうと胆汁が腹腔内に漏洩して激しい腹膜炎を起こすこともあります。

好発犬種
猫では胆管肝炎が多く、胆嚢自体の疾患は犬ほど多くは見られません。胆管肝炎だけでなく膵炎・腸炎の合併症(三臓器炎)が見られることもあります。犬では遺伝的に高脂血症の多いシェットランドシープドッグミニチュアシュナウザーが好発犬種です。他にもコッカースパニエル、ビーグル、シーズー、トイプードルも要注意です。また、脂質代謝異常や内分泌疾患(甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)などの基礎疾患も発症要因となります。

診断
胆嚢疾患はエコー検査で偶発的に発見されることが多く、また血液スクリーニング検査で疑われることもあります。診断はエコー検査、血液検査によります。
関連する血液検査項目:T-Bili、T-cho、GPT、GGT、ALP、(TG)

      エコー検査:胆嚢粘液嚢腫 →    

 

治療
胆嚢炎の場合は適切な抗生物質を投与します。胆泥症、胆石症および胆嚢粘液嚢腫では、軽度であれば胆汁の分泌を促進する利胆剤を投与する内科的治療で様子を見ます。ただ、重症例では内科治療の反応が悪く、胆嚢破裂の危険性がある場合や総胆管閉塞症を合併している場合などは、胆嚢を外科的に切除し、総胆管内を洗浄する必要があります。

 胆嚢摘出(胆嚢粘液嚢腫)           胆嚢破裂

予防
胆嚢疾患は原因が特定できないことが多く、またゆっくりと進行していくことが多い疾患です。子犬のうちから適切な栄養管理・健康管理を行い、好発犬種や血液検査で脂質(コレステロール、中性脂肪など)の異常が見つかった場合などでは定期的なチェックが必要となります。また、高齢になったら1年に1度はエコー検査や血液検査を受けて、早期発見・早期治療を心がけましょうね。

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