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耳がかゆい!耳の病気(2008.1月号)

2008.01.30

しきりと耳を気にしてボリボリと後ろ足で引っかく、あれ?ノミでもいるのかなと思ったらどうも耳が悪いみたい、なんていうふうに来院されるワンちゃんやネコちゃん達。ただの外耳炎かと思っていたら、中耳炎、耳血腫、さらに斜頚や顔面神経麻痺が起こる内耳炎といった怖い病気へと進んでしまう可能性だってあるんです。ということで今回は耳の病気のお話です。

発症要因
まず1つにもともと外耳炎になりやすい動物側の要因というものがあります。
①先天的な要因
 耳が垂れている。(シーズー、ゴールデンレトリバー、トイプードルなど)
 耳道が狭い、耳道内に毛が密集している。(ミニチュアシュナウザー、シーズーなど)
 分泌腺(アポクリン腺)の過形成、過剰分泌(コッカースパニエルなど)
 角化異常(コッカースパニエル、バセットハウンドなど)
②後天的な要因炎症性ポリープ
 耳道内の腫瘍やポリープ、潰瘍など
 甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などのようなホルモン異常
 湿度の高い環境や入浴・水浴の習慣など
 間違った耳の手入れ法など

 

 

外耳炎の原因
直接外耳炎の原因となるものには次のようなものがあります。
 寄生虫:耳ダニ、アカラス耳ダニ
 異物:植物の実(ノギなど)、自分の被毛、耳科用パウダー、刺激性の消毒薬など
 細菌感染:ブドウ球菌、連鎖球菌、緑膿菌、プロテウスなど
 真菌感染:特にマラセチア
 腫瘍:アポクリン腺腫、アポクリン腺癌、扁平上皮癌、炎症性ポリープなど
 その他:アトピー、食事アレルギー、自己免疫性疾患(天疱瘡など)

外耳炎の症状
外耳炎の症状には大きく分けて急性と慢性があります。
急性の外耳炎は、川で遊んだりシャンプーをしたりしたあとに急に耳が赤くなって痛がるあるいはひどくかゆがるようなケースでよく認められます。他にはべたべたした耳ダレが出る、首をかしげる、耳がくさいなどの症状があります。その多くは細菌性外耳炎で、中耳炎を伴うことも多く、マラセチアのような酵母状真菌との混合感染もよく見られます。子犬や子猫の場合は耳ダニが原因のこともあります。
慢性外耳炎あるいは再発性外耳炎では赤みは逆に少なくなり、耳介や耳道が厚くなってきます。耳垢も多くなり、臭いも強くなります。痛みは収まりますが、かゆみは止まりません。症状がさら進むと肥厚してしまい、耳の穴がどこにあるのかさえわからなくなってしまいます。コッカースパニエル、ウエスティー、ゴールデンレトリバー、シーズー、キャバリアなどは要注意です。
犬の耳道内には酵母状真菌としてのマラセチアや、さまざまな細菌が常在菌として存在しています。でもこれらの菌が原因ですべての犬に外耳炎が起きるわけではありません。マラセチアが外耳炎を引き起こし悪化させるケースは、犬が中耳炎を持っている場合で、それがあるとマラセチアがものすごく増殖して、中耳炎だけでなく外耳炎も治りにくくしてしまうわけです。

耳の検査
 検査を始める前に、いろいろとお聞きすることがあります。急性なのか慢性なのか、他に症状はないのか、どういう飼育環境か、何を食べているか、思い当たる原因がないかなどです。そのあと、検耳鏡で耳道を観察し、耳垢を検査します。耳垢検査では耳ダニの有無、塗沫標本による微生物の観察を行い、場合により培養検査を実施します。

外耳炎の治療イヤークリーナー
外耳炎の治療はどうするのか? 耳ダニがいる場合は駆虫剤を用います。それ以外では耳道の清掃と洗浄を行った後、原因となる微生物に応じた点耳薬を投与します。多くの場合、院内の治療ですぐに治るわけではなく、自宅での治療を併用しなければなりません。いろいろな種類の耳道洗浄剤、点耳薬がありますので症状に適したものを処方いたします。
耳の中に液体を入れることにためらいがある人がとても多いですが、頑張ってやりましょうね。注意しなくてはいけ点耳薬ないことは、あくまでも洗浄がメインであって綿棒を使った耳掃除は絶対に行わないでください。耳垢を奥に押し込んでしまったり、耳道を傷つけてさらに症状を悪化させるだけです。

 

 

外耳炎も一歩間違うと難治性となり中耳炎だけでなく内耳炎へと移行します。そうならないように日常的なケアを忘れないようにしたいところですが、地球温暖化のこのご時勢、高温多湿の国ですからさらに注意が必要です。風通しをよくしたり、夏の間はエアコンや除湿器をフルに使って除湿をするなどの考慮も必要かもしれません。また、シャンプーのあとや水浴びのあとなどはしっかりとイヤークリーナーで耳のお手入れも必要です。もし耳をかゆがっているようなしぐさが見られたらなるべく早く受診してください。早期発見早期治療で慢性化を防ぎましょう。

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