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子犬のしつけ(2005.4月号)

2007.08.31

最近、犬の問題行動の話を耳にする機会が増えてきました。吠える、咬む、飛びつく、怖がる、引きこもる、粗相をするなどいろいろなことで悩んでいらっしゃる方も多いと思います。こういった問題を解決するためには、なぜそれが起きたのかを考えてみる必要があります。実はこういった行動は子犬の時の生活環境に起因することが多いのです。今回は、この辺のところをちょっと。

大事なのは社会化の時期
犬の発達過程は、胎生期→新生児期→移行期→社会化期→若年期→成熟期と進んでいきます。新生児期(0~2週齢)および移行期(2~3週齢)は神経感覚器官の発達が盛んで、母犬とのスキンシップがとても大事です。そのため人工保育で育てられた犬や猫は成熟するととても神経質で情緒不安定になることもあります。
発達過程の中で特に大事なのが社会化期(3~14週齢)で、この時期には犬(兄弟犬や母犬)同士、人間、他の動物との交流が生活の中心となり、新しい環境に順応しやすい時期です。
約9週齢頃に排泄場所への習慣性が確立し、また恐怖に対する感受性が一番強い時期でもあります。
本来ならば母犬と兄弟犬同士の遊びの中でいろいろなルールを学びます。母犬は子犬と遊び、いけないことをした時には軽く咬んだりしていけないということを教えます。飼い始めたばかりの子犬は、これと同じことを群れの仲間である飼い主さん相手にやり始めますので、いけないことをした時は母犬の代わりに教えてあげる必要があります。かと言って子犬に噛み付くわけにはいきませんからまずは言葉と態度で教えてください。ただし、「いけない!」と言って叱るのは3回までが限度です。それ以上叱っても効果はありません。また、叱る時には犬の体に触ってはいけません。犬から少し離れて「いけない」と叱り、止めたらまた遊んであげ、止めなければそのまま部屋を出て行ってください。頭を少し冷やさせて、興奮が収まったらまた遊んであげてよいです。叩いたり、押さえつけようとすると、恐怖を覚えてしまったり、あるいは新しい遊びと勘違いして、よりエキサイトすることになります。
他の動物、あるいは人間との接触も大事なことですが、一歩間違うと恐怖感を植えつけてしまい、一生トラウマになることもあります。大事なことは子犬を近づけても怒らない成犬や犬を怖がらない動物・人に触ってもらうことです。家族に子供がいる場合、大きな声を出したり、不必要に弄り回さないよう注意してください。とにかく恐怖や痛みに対する感受性が一番強いので、この時期に育て方を間違えると、子供に対して警戒したり、他の犬を見ると怖がったり威嚇したりするようになります。

トイレのしつけは?
9週齢頃から排泄場所を覚えるようになります。排泄場所に関しては、排泄する場所、排泄する所の材質の二つを教えなくてはなりません。ペットシーツを使う場合、たとえ場所が変わってもその材質の上ならば排泄してもよいことを教えておかないと排泄を我慢してしまうこともあります。最初は広い範囲にペットシーツを敷いておき、トイレの時間が来たらその場所に連れて行ってあげてうまく排泄できたら褒めてあげます。排泄の間隔は(生後の月齢+1)時間です(例:3ヶ月の子犬なら4時間ごと)。徐々にトイレ
の範囲を狭めていきながらトイレにしたい場所まで移動させていってください。


なぜ私だけ咬まれるの?(あるお母さんの嘆き)
子犬は嫌なことやしつけの最中に、いやがって甘咬みして逃れようとします。それが成功すると学習してしまい、次からも同じようにして逃れようとします。それでは、同じことをしてもお母さんは咬まれるのに、あまり世話もしていないお父さんが咬まれないのはなぜでしょう?お父さんの威厳を認めている?お父さんに一目置いている?そうではありません。お父さんのことをあまり知らないから、どういう逃げ方をしたらいいかわからないだけです。逆のことを言えば、お母さんは手の内を見せすぎてしまっているのです。家事の合間に子犬をかまっていると、最後までしつけをできずに途中で終わってしまったり、甘咬みされると痛いからそのまま放っておいてしまったりすることが多いので、それら一つ一つを記憶されてしまい、結局うなったり軽く咬んだりすることで嫌なことから逃れられることを学習してしまったのです。ですから、子犬のしつけは片手間にやらず、遊ぶ時はしっかり遊び、いけないことを教えたり褒めてあげる時はしっかりと褒めてあげ、それ以外はそっと寝かしておいて上げることが大事です。


しつけは「飴と鞭」ではなく、「飴と無視」
しつけにおいて褒めることはとても大事です。大事な靴をぼろぼろにされてしまった時、叱れば叱るほどよりエスカレートしていきます。なぜでしょう?犬が自分のおもちゃで遊んでいる時に褒めてあげましたか?一緒に遊んであげましたか?一人で遊んでいてもそのうち飽きてしまいますよね。でも靴をおもちゃにしてみたら飼い主さんは飛んで来てかまってくれました。なんかおもしろそう。そうです。自分のおもちゃで遊んでいる時こそ褒めてあげたり一緒に遊んであげるようなご褒美をあげましょう。悪いことをしている時はまったく無視しましょう。子犬はかまってもらえないことに対してとても敏感です。たとえ叱られるとわかっていてもかまってもらえないよりはまだましなのです。

ここに書いたことは、ほんのさわりだけです。ワクチンの時期、犬の性格、犬種などによりさまざまに変化します。その犬の特徴をよくつかみ、感染症などに気をつけ、よい子に育つように心がけましょう。わからない時は当院のスタッフに気軽に聞いてくださいね。

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