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体表のしこりについて

2012.08.24


体をなでていたり、ブラシをかけているときに「おや?なんかできてるみたい」と気付くことが多いのが体表腫瘍。皮膚にできているものや皮膚の下に埋もれているものなど様々なしこりがあります。今回はちょっと気になる体表のしこりについてお話します。

しこりの原因
しこりの原因となる病気もいろいろですが、腫瘍だけではなく、炎症、外傷、皮膚病、アレルギー疾患などでもできることもあります。腫瘍であっても良性のものも悪性のものもあります。皮脂腺腫や乳頭腫、脂肪腫など良性の腫瘍、リンパ腫や肥満細胞腫など悪性のものがよく見られます。見ただけではそれらを瞬時に判断することはできません。ここで問題。下の写真のしこりが良性か悪性かわかりますか?
(図1~図5)答えは最後にあります。

検査方法
 しこりを発見した場合、そのしこりが腫瘍であるのか、腫瘍であれば良性か悪性かを調べていく必要があります。犬種、年齢、発生部位、形態、経過時間などを考慮しつつ検査を進めていくことになります。腫瘍が疑われる場合には敵の正体を明確にするために、通常は生検を行います。生検には次の3通りがあります。
(1) 針生検(FNA):しこりに針を刺してその細胞を採取し、染色して調べる方法です。肥満細胞腫のようにこれで診断できる腫瘍もあります(図6)が、通常は大体のあたりを付けるものだと思ってください。
(2) コア生検:針よりも太い生検用の器材を用い、ある程度の量の組織を採取する方法です。手術が必要と思われる場合その切除範囲を決定したり、手術で取りきれないと思われる部位の抗癌剤の選択などのために用います。採取した材料は病理検査を依頼し、確定診断を行います。ただ、どうしても採取する量が少ないために確定が得られない場合もあります。
(3)切除生検:手術で切除した腫瘍を病理検査で確定する方法です。乳腺腫瘍、肺腫瘍など上記の方法で良性、悪性の判断ができないものや、また切除した腫瘍がきちんと取りきれているかの判断を行う時などに用います。

治療方法
 腫瘍の治療には、外科療法、化学療法(いわゆる抗癌剤療法)、放射線療法、免疫療法、温熱・光線療法などがあります。基本的に外科的介入が必要となることが多いですが、リンパ腫のように全身性の腫瘍などは化学療法が中心となります。それぞれの治療はメリット、デメリットがありますので組み合わせて治療することが多いです。

予防対策
避妊手術をしていない雌犬の体表腫瘍の50%は乳腺腫瘍です。また、去勢手術をしていない雄犬では肛門周囲腺腫や精巣腫瘍が多く見られます。このような腫瘍は、若いうちに避妊・去勢をしておけば避けることができます。また、皮膚にできる腫瘍は早く発見できれば外科的に完治可能なものも多く、また早ければそれだけ切除範囲も小さく済みます。しこりを見つけたらあまり様子を見ずに診察を受けることが大事です。

問題の答え:(1)悪性:神経鞘腫(2)悪性:肥満細胞腫(3)悪性:肛門周囲腺癌(4)良性:組織球腫(5)良性:基底細胞腫

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