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内分泌疾患その1.甲状腺の病気について

2009.01.19

甲状腺は喉のすぐ下の部分にあって、甲状腺ホルモンを分泌する内分泌器官です。このホルモンは細胞の新陳代謝やエネルギ-供給に関与し、心臓・内臓・皮膚など体のあらゆる部分の活動を調整するという非常に重要な役割を担っています。このホルモンが多すぎても少なすぎても体に不具合が生じてきます。犬では機能低下症が多く、猫では機能亢進症が多く認められます。今回は甲状腺の病気についてお話します。

犬の甲状腺機能低下症
平均発症年齢
7歳以上の中型あるいは大型犬。小型犬ではまれ
好発犬種
G・レトリバー、グレートデン、ボクサー、S・ハスキー、シェルティー、
コッカースパニエル、ビーグルなど
原因
症例の多くは遺伝的な自己免疫疾患による甲状腺炎によるものと原因不明の特発性のもの
症状
•肥満:あまり食べないのに太っている、または食欲旺盛
•不活発:ボーっとしている、動きがにぶい、低体温、朝なかなか起きれない、など
•被毛の変化:局所的な脱毛、ラットテイルと呼ばれるツルツルの尾の脱毛、抜けやすい被毛や遅い生え変わり、細い被毛やパピーコートと呼ばれる子犬の被毛の外観など
•皮膚の変化:黒色色素沈着、肥厚、脂漏症、悲劇的顔貌(粘液水腫状変化)、細菌性あるいはマラセチアなどの真菌性の感染性皮膚炎、慢性頑固な外耳炎など
•その他:不妊、精巣の萎縮、発情周期不全、角膜潰瘍など
診断
•血液検査:コレステロールと中性脂肪の増加、軽度の非再生性貧血、ALP・GGTの上昇
•ホルモン測定:甲状腺ホルモン(サイロキシンおよび遊離サイロキシン)の測定
甲状腺機能が正常であっても、老齢、飢餓、手術や麻酔処置後、糖尿病、クッシング症候群、アジソン病、腎疾患、肝疾患、ジステンパー、各種皮膚炎、全身性感染症、脊椎板疾患、免疫介在性溶血性貧血、心不全、リンパ腫などで甲状腺ホルモンは低下します。そのため第1段階として院内でサイロキシンの測定を行い、低下症があればさらに追加検査として遊離サイロキシンの測定を行うことになります。
治療
診断が付いた場合の治療は簡単で、自分で作れなくなった甲状腺ホルモンを内服で補充します。治療が適切であれば今まで年のせいだと思っていた犬の様子が劇的に改善します。しかし甲状腺の機能を改善することはできないため通常甲状腺ホルモン剤は生涯必要になります。


猫の甲状腺機能亢進症
平均発症年齢
発症例の約95%は10歳以上で平均発症年齢は約13歳です。
原因
片側あるいは両側の甲状腺の過形成または腺腫(良性腫瘍)まれに癌
症状
高齢の猫が急に若返ったようによく食べてよく飲んで活発に動きまわったり落ち着きがない、以前と比べて何か性格が変わった、すごく元気はいいのにやせてきたなどの症状は要注意です。多すぎる甲状腺ホルモンの作用で体中の細胞の新陳代謝が活発になることでエネルギーの要求量が高まり、その結果多くの酸素と栄養を送り込むために年老いた心臓や内臓が限度を超えて働かされている状態なのです。
•食欲亢進
•体重減少
•活動性亢進、落ち着きがない
•下痢と嘔吐、大量の糞便
•呼吸速拍・神経過敏
•多飲多尿
•呼吸困難、心悸亢進
•脱毛・衰弱
•ストレス不耐性
検査
•身体検査:甲状腺の肥大蝕知
•血液検査:赤血球系の増加、軽度の肝酵素値の上昇、BUN・IPの上昇など
•心臓検査:心雑音の聴取、レントゲン検査と心電図検査における心臓肥大所見など
•ホルモン測定:甲状腺ホルモン(サイロキシンと遊離サイロキシン)の測定
治療
内科的治療:抗甲状腺製剤の内服
外科的治療:甲状腺摘出術
内科的治療では長期にわたる効果は期待できませんが、甲状腺摘出術に比べ可逆的であり安全ではあります。外科的治療は根本的な治療ではありますが、摘出により甲状腺機能低下症になるので生涯にわたる甲状腺製剤の内服が必要となり、また機能亢進症により保たれていた全身の血流や腎血流などが一気に悪化する可能性もあります。

甲状腺の病気は「わりと元気」に見える病気です。ですから病気だと思わなかったり、病院に連れてくるのが遅れたりすることも多いです。今回のような症状が見られましたら一度ホルモン測定を受けてみたらいかがでしょうか?当院では新しく甲状腺ホルモン(サイロキシン)の測定ができる器械(図)を導入いたしました。わからないことがございましたらお気軽にご相談くださいね。

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