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くわしく知ろう!検査項目(1)-尿検査-

2012.08.24

  何だかおしっこの色がいつもと違う? トイレに何度も行くけどあんまりおしっこが出ていないみたい・・・ 腎臓・泌尿器系の病気を調べるのに、尿検査は必須です。それ以外の病気でも、血液検査とともに行われることが多いのが尿検査。今回は院内で行っている尿検査についてお話します。

○ 一般性状検査
・ 尿の色調:尿は通常、黄色味がかった色をしていますよね。水のような無色の尿や褐色・赤色の尿、乳白色の尿などは、病気による色調の変化の可能性があります。
・ 混濁度:排尿してすぐの尿の多くは透明です。白くにごっている尿には、結晶や脂肪、細菌、細胞成分など異常な成分が多く含まれていることがあります。
・ 尿量:排尿量は、食べるものや環境の温度・湿度、飲水量、年齢、あるいは利尿薬やステロイド剤の服用など様々な原因で変化します。健康な犬・猫の1日排尿量は、犬で体重1キロあたり24~41ml、猫で体重1キロあたり22~30mlと言われており、その量をあまりに超える場合は、病気による「多尿」の状態かもしれません。多尿は、糖尿病や慢性腎不全、内分泌疾患などで見られます。逆に尿量が減る場合、水分摂取量の減少や暑い環境のせいであれば生理的なものですが、病的に尿量が減る原因としては脱水や心機能・腎機能の低下などがあげられます。全くおしっこがでていない、いわゆる「無尿」は、末期の腎疾患や尿管・尿道の閉塞によってひきおこされます。そのまま放置すると尿毒症となって生命も脅かされる状態になることがあります。
・ 尿比重:比重とは、おしっこの濃さを示すもの。尿量が多いときは薄いおしっこがでています。逆に尿量が少ないときは濃縮された濃いおしっこです。つまり尿比重は尿量の変化を示します。水の比重が1として、犬・猫の尿比重は大体1.020~1.040が正常値です。

○ 科学的性状検査
・ pH:雑食から肉食主体の犬・猫の尿は、その食べるものにより酸性から弱アルカリ性を示します。尿中で細菌が増殖すると、アンモニアが発生して尿がアルカリ性に傾くことがあります。
・ タンパク:おしっこは、血液を腎臓のフィルター構造でろ過してつくられるものです。尿中にタンパクが多く出てくる原因は大きく分けて三つ。1、腎臓のフィルターにかからないような異常なタンパクが血液中に増えるとき 2、腎機能が低下しているとき 3、尿路や生殖器に炎症や腫瘍が存在するとき です。尿蛋白の検査は、尿検査紙を用いる方法と、検査センターにおいて尿蛋白濃度の定量を行う方法があります。
・ ブドウ糖:通常、尿中に糖は出ません。尿糖がでるときは、高血糖が存在する時、もしくは腎機能に異常があるときです
・ ケトン体:ケトン尿は、ケトーシス、脂肪肝、糖尿病性ケトアシドーシスなどの病気でみられることがあります。
・ 潜血:潜血には血尿とヘモグロビン尿の二種類があります。血尿は泌尿器系のどこかで出血していることを示しています。ヘモグロビン尿は、血液中で赤血球が破壊されてしまう溶血性疾患や輸血の副反応で出ることがあります。
・ ビリルビン:血液中のビリルビン濃度が増加する疾患を黄疸といいますが、そのとき尿中にもビリルビンが排泄されます。

○ 尿沈渣
尿を遠心分離にかけた後に、上澄みの液体を捨てて得られる沈殿物が尿沈渣です。これを顕微鏡下で検査します。
・ 細胞成分:尿路あるいは生殖器のどこかに炎症が存在するときには、
炎症細胞である白血球が出現するはずです。また、赤血球が多く出るときは出血を意味します。他に、尿路系の上皮細胞がみられることがありますが、その上皮細胞に悪性所見が認められる場合、腫瘍(図3)が存在する可能性があります。

 

 


・ 結晶:結晶は、結石の原因になったり炎症を起こすこともあるため、それらが多量に出ている時には注意が必要です。原因としては食事や体内での代謝、感染症などがあげられますが、結晶の種類によっては肝臓疾患などの病気により出現するものもあります。犬・猫でよくみられる結晶成分はリン酸アンモニウムマグネシウム結晶(ストラバイト結晶)(図1)、シュウ酸カルシウム結晶(図2)です。他には、リン酸カルシウム結晶、炭酸カルシウム結晶、ビリルビン結晶、シスチン結晶などがあります。

    図1 リン酸アンモニウムマグネシウム結晶   図2 シュウ酸カルシウム結晶
・ 尿円柱:腎臓の中の尿細管というところでタンパク成分が固まってできるものが尿円柱です。尿細管は細長い管状構造をしているので、尿円柱は全て細長い円柱状をしています。尿円柱がみられる場合、腎疾患が存在している可能性が高く、円柱の成分によって硝子円柱、顆粒円柱など種類が異なります。
・ 微生物:尿中にみられる微生物には細菌、真菌があり、ごくまれに寄生虫の卵がみられることもあります。大量の細菌が存在する場合、通常は膿尿となり白血球も同時に増加して「白く濁ってとても臭いおしっこ」になることが多いのです。場合によっては、細菌の種類を調べる同定検査や、有効な抗生物質を調べる抗生物質感受性試験が必要となることもあります。真菌が見られる場合は環境からの混入物であることも多いのですが、まれに免疫が抑制された状態でカンジダという真菌の感染がみられることがあります。尿中にでることのある寄生虫卵には、腎虫卵・毛細線虫卵があります。
 
尿の採り方
きれいに洗浄してある盆状のトレイやコップなどを用意しておき、動物が排尿し始めたら、出始めの尿ではなく中間の尿を容器で受けとめます。猫用のトイレで砂やチップを用いている場合は、砂やチップを取り除いて、そのかわりに新聞紙を細かくちぎったものを入れておきましょう。そこで排尿したら、底にたまった尿を採取します。その後、ふたができる容器につめかえてきてください。病院でも採尿用のスポイトと容器をお渡ししています。尿は室温にずっと置いておくと成分が変化してしまうことがあるので、なるべく速やかに検査する必要があります。採尿したその日のうちに持ってきてくださいね。

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